胸や背中の痛みの原因には、心臓や大動脈の病気、肺の病気、食道の病気、神経や筋肉の病気など、様々な病気がありますが、この中で早期診断が特に重要なのは、狭心症や心筋梗塞、大動脈解離、および肺や食道の悪性腫瘍です。

　不自然な姿勢や筋肉疲労が原因で胸や背中に痛みが起こる場合も良くあります。骨や筋肉や神経が原因の場合は、体を前後左右に曲げたり腕を動かした時に痛む、指1本でさせる1点だけが痛む、数秒間ズキズキッとするが痛みが続かない、などの特徴があります。

　咳や痰の原因には、感冒（いわゆる風邪）、肺炎球菌やマイコプラズマによる肺炎、誤嚥による肺炎、気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺癌などがあります。
　咳が続く前に風邪をひいていたか、いつ頃から咳が続いているか、痰がどの程度多いか、（高齢の方では）食事の時にむせているか、などを確認することが重要です。
　感冒後にのどの痛みは良くなったのに咳だけ長引くケースもよくあり、通常の咳止めでよくならない場合には、アレルギーの薬や漢方薬、ステロイドの吸入薬などを使用する場合があります。
　高熱になったり、痰がかなり多い場合には、肺炎の可能性があります。血液検査やレントゲン検査を行い、軽症であれば抗生物質（細菌の増殖を抑える薬）の内服薬で治療しますが、重症の場合には救急指定病院（岡崎市民病院など）へのご紹介を行います。高齢の方で食事の時にむせている場合には、発熱や呼吸困難がなくても、軽い誤嚥性肺炎を繰り返している場合があります。

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　2週間以上にわたって咳が続く場合には、気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺癌などの可能性があるため、問診や診察に加えて、レントゲンなど種々の検査を行う必要があります。

　息苦しさ（呼吸困難）の原因は、心臓の病気（心不全や不整脈など）、肺の病気（肺炎や気管支喘息など）が多いですが、時として、過換気症候群、貧血、甲状腺機能亢進症、神経難病（筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症など）のこともあります。
　どんな時に息苦しいか（歩いたり階段を上る時か、じっとしている時か）、呼吸の音がヒューヒューするか、いつから息苦しさがあるか（急に苦しくなったとか、数週間以上続いているとか）、過去に心臓や肺の病気と言われたことがあるか、などを確認することが重要です。
　心臓や肺の病気では急激に悪化する場合があるため、問診や診察に加えて、血液検査・心電図・レントゲン検査などを行うことで、早期に診断する必要があります。

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