医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

お問い合わせ・ご予約は
TEL 0564-21-0013

脳梗塞と脳出血

こんな症状でお困りではありませんか

こんな症状でお困りではありませんか

 脳梗塞脳出血の症状は、ある時突然に現れることが多いです。その時間帯は、昼間から夕方の活動時に急に症状が出る場合、夜中にトイレに起きた時や朝目覚めた時に異常に気づく場合など様々です。
 脳梗塞や脳出血(くも膜下出血を除く)では、通常は頭痛はなく、体のどこかが動かしにくいという症状が主体となります。右手足を動かす神経の通り道に起きた脳卒中であれば右半身麻痺、言葉の中枢の脳卒中であれば言語障害というふうに、障害された脳の部位によって異なる症状が生じます。

1片方の手に力が入らない
2歩くと足がもつれる
3立ち上がれない
体の半身がしびれる
5ろれつがまわらない
6言いたい言葉がとっさに出てこない
7他人の言葉が理解できない
8ものが見えにくい
9飲み込みにくい

このような症状が突然あらわれた場合は 脳卒中の可能性があります

 発症時にすぐに対応するためには、脳卒中が起こった場合は、どんな症状が出るかを前もって知っておくことが大切です。
 上記のような症状がある日突然、1つでも出現すれば脳卒中が疑われます。様子をみているうちにどんどん悪化する場合がありますので、症状に気づいた時には、「軽度だから様子をみよう」などとは考えず、直ちに病院に駆けつけることが大切です。最初の症状が数分程度で軽くなることもありますが(前触れ発作)、いったんは消えた症状が再び現れて、今度は元に戻らないこともよくあります。

 

■前触れ発作について

 前触れなしに突然脳梗塞が起こることもありますが、脳梗塞の患者様の約3割では、本格的な発作を起こす前に前触れ発作(一過性脳虚血発作)を経験しているといわれます。これは脳の血管が一時的に詰まりかけたために起こるもので、症状は脳卒中と同じですが、5分~15分で消えてしまうため、軽く考えられがちです。しかし、その後数日以内に脳梗塞を発症する危険性が高いため、この前触れ発作を見逃さず、この段階で検査を受けて治療を開始することが、脳梗塞発症防止のポイントとなります。このような前触れ発作が起こった場合は、速やかに病院を受診することが大切です。

■くも膜下出血の症状

 くも膜下出血の症状は、一瞬のうちに、今までに経験したことのないような激しい頭痛が生じ、時として意識がなくなることもあります。通常は手足の麻痺は起こりません。
 くも膜下出血の場合にも、前触れ発作として一過性の強い頭痛が生じることがあります。

脳卒中とは

脳卒中とは

 脳卒中(脳血管障害)とは、「脳梗塞」(脳の血管が詰まる)、「脳出血」(脳の内部で血管が破れて出血する)、「くも膜下出血」(脳の表面の動脈瘤が破れて脳を包んでいる膜のすき間に出血する)の総称です。
 脳梗塞には、「心原性脳塞栓症」(心臓にできた血栓が脳の血管に詰まるもの)と、「アテローム血栓性梗塞」(脳の太い血管の壁にアテローム(コレステロールのかたまり)が蓄積して、そこが破れて血栓ができて詰まるもの)、「ラクナ梗塞」(脳の細い血管が狭くなって詰まるもの)があります。
 脳卒中になると、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、その先の脳細胞に酸素や栄養が届かなくなって、細胞が死んでしまうことにより、様々な症状が出現します。

脳卒中の図

図を拡大して見る

脳卒中の原因

脳卒中の原因

 脳卒中が起こりやすくなる原因(危険因子)には、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症など)と喫煙があります。これらの危険因子があると長年かけて動脈硬化が進み、血管の壁が硬くなってしまうことで、詰まりや破れを起こしやすくなります。
 動脈硬化が進行すると、ある日、ちょっとした脱水症がきっかけになって脳の血管が詰まって(脳梗塞)しまったり、ちょっとした血圧の上昇がきっかけになって脳の血管が破れて(脳出血)しまったりします。

血管イラスト

 また、「心房細動」という脈拍が不規則になる不整脈があると、心臓の中に血栓ができやすいため、それが血流にのって脳に運ばれて脳梗塞(心原性脳塞栓症)となる場合があります。

脳梗塞の図

脳卒中の治療

脳卒中の治療

 脳卒中の治療は時間との勝負です。例え夜中であろうと、休日であろうと、すぐに救急車を呼んで、可能な限り早く専門病院(岡崎市民病院など)を受診して下さい。重症の場合はもちろん、軽症と思われる時も救急車を利用して下さい。これは一刻も早く搬送するためであり、また途中で症状が悪くなる危険性もあるからです。

脳梗塞の治療

 脳梗塞が起こると、数分後には脳細胞が壊れ始め、時間が経てば経つほど脳のダメージが広がります。したがって症状を少しでも軽くとどめるためには、一刻も早く治療を始めることが必要です。
 脳梗塞の最も有効な治療方法は、脳のダメージが広がる前に血栓溶解療法(血栓を溶かす薬の点滴により、詰まった血栓を溶かす治療法)を行うことです。ただし時間が経過すると脳出血の副作用リスクが高まるため、発症から4時間半以内にしか実施することができません。この限られた時間内に専門病院を受診して治療を受けられるかどうかが、その後の経過や後遺症の程度を左右するのです。
 それ以上時間が経過してしまった場合でも、症状がどんどん進行する前に、抗血栓療法(血を固まりにくくしてそれ以上血栓が拡大することを防ぐ治療法)や、脳保護療法(脳梗塞の時に産生される有害物質を取り除いて脳細胞を守る治療法)を開始することで、症状の進行を最小限にとどめることができます。

脳梗塞の治療

脳出血・くも膜下出血の治療

 脳出血やくも膜下出血の場合は、まずはしっかり安静にすることと、血圧のコントロールを行うこととで、再出血を防ぐことが重要となります。出血した場所、出血の量、出血の原因、年齢などを総合的に判断して、緊急手術を行う場合もあります。

脳出血・くも膜下出血の治療

脳卒中の再発予防

脳卒中の再発予防

 一度脳卒中を起こすと何らかの後遺症が残ってしまう場合が多く、また再発を繰り返すたびに、後遺症が積み重なって病状は重くなってしまいます。そのため再発を起こさないことは非常に重要です。
 抗血栓薬を内服することと、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症など)の治療を行うこと、これまでの生活習慣を見直すことで、脳卒中の再発を防ぎましょう。

薬物療法

薬物療法

 脳梗塞の再発予防のための「抗血栓薬」には、「抗血小板薬」「抗凝固薬」とがあります。
抗血小板薬とは、血小板の働きを抑えて、動脈内で血栓ができないようにする薬です。動脈硬化による脳梗塞の再発防止に、アスピリンなどが用いられます。
抗凝固薬とは、血液を固まりにくくすることで、心臓や静脈内で血栓ができないようにする薬です。不整脈(心房細動)による脳梗塞の再発防止に、ワーファリンなどが用いられます。
 抗血栓薬は、再発予防のための薬です。今ある症状を改善させるための薬ではないので、「薬を飲んでも飲まなくても変わらない」と思い、副作用などを心配してやめてしまう人が少なくないようです。毎日飲み続けないと意味がありませんので、勝手にやめず、心配なことがある場合は医師に相談しましょう。

生活習慣病の治療

●高血圧
高血圧により、血圧が高い状態が長く続くと、血管が痛んで動脈硬化を引き起こしてしまいます。
→塩分を控える、適度な運動を心がける、内服薬

>>高血圧へ

●糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の量が多い状態(高血糖)になってしまう病気です。高血糖の状態が長く続くと、血管が痛んで動脈硬化を引き起こしてしまいます。
→食事療法、運動療法、内服薬、インスリン注射

>>糖尿病へ

●脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症(高脂血症)は、血液中のコレステロールの量が多い状態が続いてしまう病気であり、これも動脈硬化の原因の一つです。
→食事療法、運動療法、内服薬

>>高脂血症 へ

生活習慣病の治療

水分を十分にとる

水分を十分にとる 

 十分な水分をとらず、脱水状態になると、血液が濃くなり、固まりやすくなるので、脳梗塞を起こす危険性が高まります。特に高齢の方は、こまめに水分をとるように心がけてください。日中の外出で体を動かした時や、冬場でも暖房が効いた部屋に長らくいると、水分不足になる場合があります。
 ただし、心臓や腎臓の病気のある方の中には、水分制限が必要な場合もありますので、飲水量については主治医に相談してください。

適度な運動をする

適度な運動をする 

 運動には、筋力アップとバランス力アップ、骨が丈夫になり関節の滑らかさが保たれる、血糖値の改善、血圧の低下、肥満の防止、ストレス解消などの効果があります。後遺症で麻痺のある患者様も、体調に合わせて軽い運動をすることが大切です。

食べ過ぎない

食べ過ぎない 

 肥満になると、高血圧、糖尿病、脂質異常症が悪化し、動脈硬化が進行する原因となります。揚げ物を摂りすぎない、マヨネーズ・ドレッシングはほどほどにする、お菓子やジュースなどの間食を控える、特に夜8時以降の夜食は控える、などに気を付けて摂取カロリーを抑えましょう。食事を抜いてまとめ食いするのは、余分なカロリーを消費しきれず、かえって太りやすくなるといわれています。

タバコを吸わない

タバコを吸わない 

 タバコはやめるのが一番です。脳卒中予防に大切なのは、血液の流れをスムーズにし、脳に酸素を送ることです。タバコは血液をドロドロにし、酸素を運びにくくします。タバコを長年吸っていても、2年間禁煙するとリスクを減少することができます。5年間禁煙すると、元々たばこを吸ってない人と同じリスクまで戻るといわれています。今からでもぜひ禁煙してください。

酒を飲みすぎない

酒を飲みすぎない 

 適度のアルコール(ビール500㏄程度)は、コレステロール低下、ストレス解消、食欲増進などの良い働きもありますが、過度な飲酒は、血圧を上昇させ、脳出血やクモ膜下出血などの発症のきっかけとなります。アルコールを分解する際には体内の水分が失われて脱水になりやすく、脳梗塞の誘因となります。飲みすぎには注意しましょう。

規則正しい生活・ストレスや疲労をためない

規則正しい生活・ストレスや疲労をためない 

 食事は1日に3回、きちんととりましょう。過労を避け、十分な睡眠時間をとるようにしましょう。ストレスをためないために、上手に気分転換する方法をみつけましょう。

脳卒中のリハビリテーション

脳卒中のリハビリテーション

 脳卒中の回復にはかなり個人差がありますが、通常は発症から3~6ヶ月までの間には著しい回復がみられるものの、その後の回復は緩やかになります。
 回復が頭打ちになってきても、長い目で見れば少しずつ動きが改善していく場合がありますので、あきらめずにリハビリテーションを続けて機能回復をめざしましょう。
 病院だけがリハビリテーションの場ではありません。退院後の日常生活そのものがリハビリテーションの場となります。歩く時に体のバランスが崩れないように意識したり、足のスムーズな動きを心がけたり、日常生活で麻痺した側の手指をできるだけ使うように工夫したりすることが改善につながります。
 寝たきりや自宅での閉じこもりを続けていると、体の動きが全体的に弱ってきます。
 ベッド周囲のみでの生活にならないように、散歩や買物など外出する機会を作るようにして下さい。

脳卒中のリハビリテーション

 

 医学の進歩により、脳卒中を発症しても生命が助かるようになった反面、後遺症として手足の麻痺や言語障害が残る患者様は増加しています。後遺症は、患者様の日常生活の大きな障害になるばかりではなく、介護をするご家族にも大きな影響を及ぼします。
 当院では、「脳卒中にさせない(一次予防)」「脳卒中を再発させない(二次予防)」に尽力し、必要な場合はリハビリテーションを行うことで、患者様の生活の質の向上を目指して治療を行ってまいります。
 脳卒中のことでご心配なこと、お困りなことがございましたら、当院にご相談下さい。

診療時間

診療時間
9:00~12:00 × ×
16:00~19:00 × × ×
休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日

医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

〒444-0038 
愛知県岡崎市伝馬通 5-52
TEL 0564-21-0013

診療時間
9:00~12:00 × ×
16:00~19:00 × × ×
休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日