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院長コラム

アルツハイマー病の新薬開発状況と早期治療

2017年8月2日

現在使用可能なアルツハイマー病治療薬には、1999年認可のドネペジル、2011年認可のガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの合計4剤があります。これら薬剤は、いずれも脳内の神経伝達物質の調整をする作用があり、意欲低下症状を改善したり、病気の進行を遅らせる効果が期待できるものの、十分満足な効果があるとは言えないのが実情です。
アルツハイマー病の原因としては、アルツハイマー病の発症前から脳内にアミロイドβペプチドが蓄積して凝集を形成し、これが神経細胞毒性(神経細胞を壊す働き)を持つようになり、やがて神経細胞にリン酸化タウを主成分と する神経原線維変化が生じ、神経細胞が壊れて数が減ってくるにつれて、認知症症状が高度になってゆくという仮説が提唱されています。
このどこかの過程を遮断して、認知症の進行を食い止めることを目標に、世界中で数多くの新薬の臨床試験が実施されていますが、有効性が証明できた薬剤は、2011年以後は今のところ出てきていません。期待の新薬候補については次回のコラムでご説明いたします。
いくつかの新薬では、脳内のアミロイドβは大幅に減少するとの結果が得られたにも関わらず、認知症の症状については有効性が証明できなかったものもあります。つまりこれは、アルツハイマー病が進行してからだと、元々脳内で複雑なネットワークを形成していた神経細胞がすでに消失して いるため、アミロイドβが消失しても、再び複雑な神経ネットワークを形成することが難しいためではないかと考えられています。アミロイドPETという画像検査で、認知症発症前から脳内のアミロイドβの蓄積状況が分かるようになったこともあって、アルツハイマー病の新薬開発の潮流は、症状が進行してからではなく、発症早期あるいは発症前からのアプローチにシフトしてきているようです。
そしてこの早期治療というのは、新薬だけではなくて、生活習慣の見直しについても同じことが言えます。認知症のリスクは、毎日野菜を食べる人では30%減、週3回以上運動を行う人では50%減など、生活習慣の改善によって、発症リスクが大幅に減らすことができると報告されています。中壮年期のうちから 、毎日緑黄色野菜を食べる、週3回以上運動を行う、など生活習慣を見直しましょう。

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