医療法人 大原内科医院
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胸や背中の症状

(内臓の病気による)胸や背中の痛み

胸や背中の痛み 胸や背中の痛みの原因には、心臓や大動脈の病気、肺の病気、食道の病気、神経や筋肉の病気など、様々な病気がありますが、この中で早期診断が特に重要なのは、狭心症や心筋梗塞、大動脈解離、および肺や食道の悪性腫瘍です。

狭心症や心筋梗塞

 狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る血管が狭くなったことで起こる病気で、狭心症は血管が完全にふさがる前の状態、心筋梗塞は血管が完全にふさがった状態です。
 狭心症による痛みは、歩行時や階段を上る時に起こることが多く、胸の奥の方が締め付けられるとか、押さえつけられるような激しい痛みで、冷や汗が出たり、息苦しさを伴います。狭心症では安静にしていると数分で治まりますが、心筋梗塞では15分以上たっても痛みが治まりません。糖尿病や高齢の方では痛みが軽いこともあります。

大動脈解離

 大動脈解離は、大動脈の壁が裂ける病気です。
 大動脈解離による痛みは、突然ある瞬間から胸や背中が引き裂かれるとか、熱いくぎを打ち込まれたような激しい痛みで、裂け目が広がるにつれて痛みがお腹や腰に移動します。

肺や食道の悪性腫瘍

 胸や背中の痛みが1ヵ月以上続く場合には、肺や食道の悪性腫瘍を考える必要があります。
 悪性腫瘍による痛みは、じっとしていても動いていても一日中決まった場所に痛みがあり、ズキズキするような痛みが日に日に強くなってくるのが特徴です。
 早期癌の段階では自覚症状がなく、ある程度進行してはじめて症状があらわれる場合も多いため、痛みがないからと安心せず、癌検診などで定期的なチェックが大切です。

 

(骨や筋肉や神経の病気による)胸や背中の痛み

胸や背中の痛み 不自然な姿勢や筋肉疲労が原因で胸や背中に痛みが起こる場合も良くあります。骨や筋肉や神経が原因の場合は、体を前後左右に曲げたり腕を動かした時に痛む、指1本でさせる1点だけが痛む、数秒間ズキズキッとするが痛みが続かない、などの特徴があります。

 

帯状疱疹

 帯状疱疹は、子供の頃に水ぼうそうにかかった後で、そのウイルスが神経に潜んでいて、体の抵抗力が衰えた時に再び活動を始めるために起こる病気です。  はじめは皮膚がピリピリしたり焼けるような痛みが出現し、その数日後より胸やお腹から背中にかけて帯状(1本の神経の領域)に赤いポツポツした水ぶくれがあらわれます。  治療が遅れると、後遺症として痛みが残ってしまう場合があるため、できるだけ早期に抗ウイルス薬による治療を行うことが必要です。

肋間神経痛

 肋間神経痛は、不自然な姿勢で肋骨部の神経が圧迫されたり、ウイルス感染や冷えによる神経炎が原因で起こる病気です。
 体をひねった時や棚の上の物を取る時に、肋骨に沿ってズキズキする痛みがあらわれます。温めると痛みが和らぎ、通常は1~2週間で改善します。助骨にひびが入っている場合は、改善に2〜3週間かかります。  動いた時だけでなく、じっとしていても同じように痛みが続く場合には、他の病気の可能性があるため、詳しい検査が必要です。

筋肉の疲労による痛み

 肩甲骨近くの痛みは、肩甲骨の内側の筋肉の疲労や凝りが原因のことが多いです。重たいものを抱えて運んだり、パソコン操作などで不自然な姿勢を長時間続けたことがきっかけとなってあらわれます。体をひねったり、腕を動かした時に痛みが出ます。不良姿勢を改めて、ストレッチすることなどにより、改善を図ります。

前胸部キャッチ症候群

 前胸部キャッチ症候群は、肋骨部の筋肉のけいれんが原因といわれており、思春期によくみられる胸痛です。指1本でさせる1点に、針で刺されたような強い痛みが出ますが、1~2分間で完全に治まります。

ストレスや不安からくる痛み

 ストレスや不安な気持ちが原因で、胸や背中に痛みを感じてしまう場合もあります。強いストレスの状態が続くと、不安になったり痛みを敏感に感じやすくなることが原因の一つといわれています。この場合には、痛みの場所があちこち移動する、じっとしていると全身がとにかく痛いが、ほかごとに集中していると痛みを忘れている、などの特徴があります。  不安な気持ちからくる痛みの場合には、気分転換を図ったり、軽い体操を行ったり、不安を抑える薬を使用することで解消を図ります。 

 

咳や痰

咳や痰 咳や痰の原因には、感冒(いわゆる風邪)、肺炎球菌やマイコプラズマによる肺炎、誤嚥による肺炎、気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺癌などがあります。
 咳が続く前に風邪をひいていたか、いつ頃から咳が続いているか、痰がどの程度多いか、(高齢の方では)食事の時にむせているか、などを確認することが重要です。
 感冒後にのどの痛みは良くなったのに咳だけ長引くケースもよくあり、通常の咳止めでよくならない場合には、アレルギーの薬や漢方薬、ステロイドの吸入薬などを使用する場合があります。
 高熱になったり、痰がかなり多い場合には、肺炎の可能性があります。血液検査やレントゲン検査を行い、軽症であれば抗生物質(細菌の増殖を抑える薬)の内服薬で治療しますが、重症の場合には救急指定病院(岡崎市民病院など)へのご紹介を行います。高齢の方で食事の時にむせている場合には、発熱や呼吸困難がなくても、軽い誤嚥性肺炎を繰り返している場合があります。

>>嚥下障害へ

 2週間以上にわたって咳が続く場合には、気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺癌などの可能性があるため、問診や診察に加えて、レントゲンなど種々の検査を行う必要があります。

息苦しさ

息苦しさ 息苦しさ(呼吸困難)の原因は、心臓の病気(心不全や不整脈など)、肺の病気(肺炎や気管支喘息など)が多いですが、時として、過換気症候群、貧血、甲状腺機能亢進症、神経難病(筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症など)のこともあります。
 どんな時に息苦しいか(歩いたり階段を上る時か、じっとしている時か)、呼吸の音がヒューヒューするか、いつから息苦しさがあるか(急に苦しくなったとか、数週間以上続いているとか)、過去に心臓や肺の病気と言われたことがあるか、などを確認することが重要です。
 心臓や肺の病気では急激に悪化する場合があるため、問診や診察に加えて、血液検査・心電図・レントゲン検査などを行うことで、早期に診断する必要があります。

チェックポイント

どんな時に?どんな時に?
歩行時や階段?
安静時?

呼吸の音は?呼吸の音は?
ヒューヒューする

いつから?いつから?
急に?数週間以上?

過去の病気は?過去の病気は?
心臓や肺の病気の
経験は?

 

最新情報は「院長コラム」にて更新しています

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