医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

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顔の症状

顔面の痛み

三叉神経痛(さんさしんけいつう)

 三叉神経とは、顔面の感覚と食べ物を咬む運動に働く神経で、3本に枝分かれ(おでこに行く枝、ほっぺたに行く枝、あごに行く枝)することから、こう呼ばれています。
 三叉神経痛とは、この神経の通り道に問題が生じた時に、顔面に痛みを感じる病気です。原因の多くは、三叉神経が脳から出た直後の部分で、血管に圧迫されて生じるものです。似たような痛みは、帯状疱疹、蓄膿症(副鼻腔炎)、歯ぐきの感染症、脳腫瘍でも生じることがあります。
 主な症状は、洗顔や歯磨きの際に、発作的に、片側の顔面に電気が走るような、刺すような鋭い痛みで、数秒~1分以内に治まります。痛み発作は繰り返し起こりますが、発作と発作の間(間欠期)には症状はありません。
 治療として、まずは神経痛の薬を使います。症状が改善しない場合には、手術治療を行う場合もあります。

帯状疱疹

 帯状疱疹とは、子供の頃に水ぼうそうにかかった後で、そのウイルスが神経に潜んでいて、体の抵抗力が衰えた時に再び活動を始めるために起こる病気です。
 はじめは皮膚がピリピリした焼けるような痛みが出現し、その数日後より一定の範囲(1本の神経の領域)に赤いポツポツした水ぶくれがあらわれます。
 治療が遅れると、後遺症として痛みが残ってしまう場合があるため、できるだけ早期に抗ウイルス薬による治療を行うことが必要です。
 痛みが残ってしまったものを帯状疱疹後神経痛といい、中々治りにくい痛みではありますが、神経痛の薬をいくつか組み合わせて使用します。症状が強い場合にはペインクリニックを紹介させていただく場合がございます。 

 

顔面の麻痺

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺 顔面神経とは、顔面の表情を作る筋肉(表情筋)の運動と味覚に働く神経です。
 顔面神経麻痺とは、この神経の通り道に問題が生じた時に、顔面の筋肉が動かせず、表情を作ることができなくなる病気です。混同されがちですが顔面神経”痛”という病気は存在せず、顔面に痛みを生じるのは三叉神経痛、顔が無表情になるのが顔面神経麻痺です。顔面神経麻痺の原因の多くは、ヘルペスウイルスの感染によるものですが、他にも氷枕による寒冷刺激や脳腫瘍が原因となる場合もあります。
 ある日突然、片側の顔面が動かせなくなり、目を閉じられない、口から水がこぼれる、笑うと顔がゆがむなどの症状が起こります。さらに、味覚が鈍くなったり、音が大きく響くように感じる場合もあります。
 治療には、ステロイド薬と抗ウイルス剤とビタミン薬を合わせて使います。眼を閉じられない場合は、角膜保護のため人工涙液や保護テープを使います。
 麻痺は3~6ヵ月で治ってきますので、顔面をマッサージするなどしてゆっくりと回復を待つのが重要です。麻痺の回復を早めようと、顔面の筋肉を鍛える練習をすると、神経が間違った筋肉につながってしまうことになり、口を閉じると眼が一緒に閉じてしまうなどの異常運動が残る場合があります。

脳梗塞による顔面の麻痺

 脳梗塞が顔面を動かす脳の領域に起これば、片側の顔面の麻痺が起こります。脳梗塞では、顔面神経麻痺と違って、顔の上半分の麻痺が軽いため、おでこにしわを作ることができます。脳梗塞による顔面麻痺の治療は、他の部位の脳梗塞と同様です。

顔面のけいれん

顔面のけいれん (片側)顔面けいれんとは、目や口の周りの筋肉がピクピクする病気です。原因の多くは、顔面神経が脳から出た直後の部分で、血管に圧迫されて生じるものです。主な症状は、片側の目の周りの筋肉がピクピクして、うっとおしく感じます。話したり食べたりする時にあらわれやすく、緊張すると強くなります。症状が進行すると額や口にも広がり、顔が引きつってゆがむため、外見が気になって人前に出るのが嫌になります。
 なお、健常者でも、過労や睡眠不足の際には、目の周りの筋肉にピクピクするような、虫が這うような筋肉の収縮(眼瞼ミオキミア)が、一時的にあらわれる場合がありますが、この場合は休養により数日で治ります。
 一方、眼瞼けいれんとは、目が勝手に閉じてしまう病気です。原因は良く分かっていませんが、脳の神経回路の故障により、まばたきの開け閉めスイッチが壊れた状態といわれています。主な症状は、両側の目が、自分の意思とは関係なく、自然に閉じてしまうため、目を開けているのがつらく、まばたきが増えたり、目が乾いてショボショボしたり、パソコンなどの光をまぶしく感じますが、必ずしもピクピクはしません。症状が悪化すると目が閉じたままになって前を見ることがで きず、歩行中に物にぶつかることがあります。
 顔面けいれん・眼瞼けいれんでは、軽症の場合には抗けいれん薬の内服治療を行います。 内服薬で改善しない場合には、ボツリヌス治療(筋肉のけいれんをおさえる作用の注射による治療)や手術治療を行う場合があります。

 

ものが2重に見える(復視)

ものが2重に見える(復視) 片眼で見た時には1つに見えるけれど、両眼で見るとものが2重に見えることを「復視」といいます。左右の眼球の動きのズレによって生じる症状で、眼球自体の異常というよりも眼球を動かす筋肉や神経の異常によって起こります。
 複視の原因には、脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、甲状腺機能異常など様々な病気があります。
 それぞれの病気には異なる特徴があるので、複視以外の顔面の症状がないかを詳しく診察したり、画像検査を行うことによって、適切な診断に結びつける必要があります。

 

喋りにくさ

喋りにくさ うまく喋れない症状には、舌がもつれる「構音障害」と、喋る言葉が頭に浮かばない「失語症」があります。
 構音障害とは、喋る言葉は頭に浮かんでいるけれども、舌や唇の動きが悪いために、ハッキリとした声にならず、人に伝わりにくい症状で、呂律が回らないことを言います。構音障害が急にあらわれた場合には脳卒中のことが多く、徐々にあらわれた場合には多発性脳梗塞、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などのことがあります。なお、お酒をたくさん飲んだ時にも構音障害になりますが、アルコールによって脳の働きが低下するために生じますが、もちろんこれは病気ではありません。
 失語症とは、喋る言葉が頭に浮かばない症状のことで、それまで不自由なく話せていた日本語が急に知らない外国語になったような状態です。失語症になると、「話す」だけでなく、「聞く」「読む」「書く」ことも難しくなります。脳の中には言語中枢がありますが、この言語中枢に何らかの問題が生じると、言葉がうまく使えなくなります。脳の前の方に障害が起きると、人の言葉を聞いて理解することはできるのに、話すのがぎこちなくなりますが(運動性失語)、脳の後ろの方に障害が起きると、聞いて理解することが困難になり、滑らかに言葉は出るものの言い間違いが多くなります(感覚性失語)。失語症が急にあらわれた場合には脳卒中のことが多く、徐々にあらわれた場合には前頭側頭葉型認知症(ピック病)やアルツハイマー型認知症のことがあります。

※飲み込みにくさはこちらへご覧下さい
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