医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

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糖尿病


糖尿病とは

こ糖尿病とは

肥満イラスト

 糖尿病とは、血糖値(血液の中のブドウ糖の濃度)が高い状態が、慢性的にずっと続く病気です
「血糖値が高いと言われたけれど、自覚症状もないし、いったい何が悪いの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。確かに、血糖値が高くてもほとんど症状は出ません。しかし、糖尿病の怖いところは、長年にわたって高血糖の状態が続くと、気づかないうちに細かい血管の閉塞や太い血管の動脈硬化が進み、ある程度進行してからようやく様々な合併症の症状があらわれ、ついには重大な病気を引き起こしてしまうことにあります。

こんな症状でお困りではありませんか

こんな症状でお困りではありませんか

 高血糖が続いていても、糖尿病の初期にはほとんど自覚症状がありません
 ある程度進行すると、とても喉が渇くおしっこの回数や量が多い、食べても痩せていく、疲れやすい、手足がしびれる、キズが治りにくい、足の指の色がおかしいなどの症状があらわれてきます。合併症の症状があらわれてから、糖尿病であることに気づくというケースも珍しくありません。

喉が渇く
おしっこの回数や量が多い
3食べても痩せていく
4疲れやすい
5手足がしびれる
6キズが治りにくい
7足の指の色がおかしい

糖尿病の三大合併症、糖尿病の脳卒中や心臓病との関係

 長年にわたって高血糖の状態が続くと、気づかないうちに、少しずつ、あちこちの血管が傷ついてゆきます。
 神経障害網膜症腎症を糖尿病の三大合併症といい、細かい血管の目詰まりを繰り返すことによって、ある程度進行してからようやく症状があらわれてきます。  

■糖尿病性神経障害
 手糖尿病性神経障害では、手足の指先がジンジンしたり、虫が這っているような違和感や、裸足で歩くと足の裏に紙が貼ってあるような違和感を感じます。さらに進行すると、筋力が弱くなったりバランスが悪くなることで、細かい動作や歩行が困難になってゆきます。しばしば目を動かす神経の麻痺のため、ものが二重に見える症状(複視)があらわれることもあります。

■糖尿病性網膜症
 糖尿病性網膜症では、虫が飛んでいるように見えたり(飛蚊症)、急に視力低下があらわれます。眼科での適切な治療をせずに放置すると、最悪の場合は失明に至ります。

■糖尿病性腎症
 糖尿病性腎症は、多くの場合、尿蛋白などの検査値の異常のみですが、尿が泡立つことで気づかれる場合もあります。足のむくみなどの腎不全の自覚症状があらわれる頃には進行期になっている場合が多く、最悪の場合は人工透析が必要になります。

■下肢の血管の循環障害に伴う合併症
  足の血管の動脈硬化が進むと、5~10分くらい歩くと足が痛くなるため休み休みじゃないと歩けないという症状があらわれたり(閉塞性動脈硬化症)、水虫や靴ずれの傷口から細菌が侵入しやすくなります(蜂窩織炎)。最悪の場合は、足が腐ってしまう(糖尿病性壊疽)ことにより切断しなければならない状態になります。  

■糖尿病の脳卒中や心臓病との関係、癌との関係
 脳や心臓の血管の動脈硬化が進むと、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。糖尿病があると、脳卒中は健常者に比べて2~3倍、心疾患は3倍、認知症は2~3倍起こりやすいといわれています。
 また糖尿病では癌にもなりやすいことが報告されており、膵臓癌・肝臓癌・卵巣癌は2倍、癌全体では1.2倍発生しやすくなります。

糖尿病の原因

糖尿病の原因

 正常ならば、空腹時の血糖値は110㎎/dL以下に保たれており、食事で血糖値が上昇しても、膵臓からインスリン(血糖値を下げる働きのあるホルモン)が分泌されて、2時間もすると元の血糖値に戻ります。しかし、糖尿病の方では、インスリンの分泌量が少なかったり、インスリンの働きが弱い(インスリン抵抗性)ことにより、食後の血糖値が高いままになります。
 糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病の2つのタイプがあります。1型糖尿病は、ウイルス感染や免疫の異常により、膵臓にあるインスリンを作る細胞が壊されて、インスリンの分泌量が著しく少なくなるために発症します。1型糖尿病では、生涯にわたるインスリン治療が必要です。
 2型糖尿病
は、糖尿病の90%以上を占め、40歳以降の肥満体型の人に多くみられます。インスリンが出にくい遺伝的体質を持っていたり、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れによって、インスリンの働きが悪くなる条件が重なることで発症します。2型糖尿病では、食事療法と運動療法を行い、効果が不十分なら、まずは内服治療を行います。

2型糖尿病イラスト
暴飲暴食イラスト

糖尿病の
検査方法
と診断

 最近太ってきたという方や、ご家族様が糖尿病なので自分も気になるという方は、定期的に検査しておくのが良いと思います。健診などで高血糖や糖尿病と言われた場合には、合併症を生じる前にコントロールすることが大切なので、早めに医療機関で相談することをおすすめします。

 

糖尿病の診断や経過をみるために、下記のような検査を行います。

■血糖値の測定
 血糖値とは、血液の中の糖(ブドウ糖)の濃度のことです。糖尿病の診断や治療のためには、空腹時や食事2時間後の血糖値を測定します。

■HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)
 赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、過去1~2か月の平均の血糖値を反映します。最近1ヵ月の糖尿病のコントロール状況を評価するのによい指標です。

■ブドウ糖負荷試験
 ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)とは、ブドウ糖液を飲んで2時間後までの血糖値やインスリン分泌量の変化をみる検査で、糖尿病の診断のために行います。

■尿検査
 糖尿病性腎症の発見や経過をみるために、尿蛋白や尿中アルブミン量などを測定します。

■眼底検査
 糖尿病網膜症の発見や経過をみるために、眼科医による診察が必要です。

■神経学的検査
 糖尿病神経障害の発見のために、腱反射や下肢の振動覚の検査などを行います。

〜糖尿病の診断〜

1、随時血糖値(空腹でない条件下の血糖値)が200㎎/dL以上
2、空腹時血糖値が126㎎/dL以上
3、ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の2時間値が200㎎/dL以上
4、HbA1cが6.5以上のいずれかを認めた場合

上記1〜4の場合に「糖尿病型」と診断され、再検査にて1~3が確認されれば「糖尿病」と診断されます。

 

糖尿病の治療

糖尿病の治療

食事療法

 食べ過ぎや肥満があると、インスリンの働きが弱くなる(インスリン抵抗性)ため、膵臓から余計にたくさんインスリンが分泌されます。しかし、その状態が長く続くと、膵臓に負担がかかって、インスリンの分泌量が低下してしまうため、さらにインスリンの働きが低下します。 食生活の乱れによって低下したインスリンの働きを、発症前の状態に戻すためには、食事療法がとても重要です。
 糖尿病の食事療法では、1日あたりの適正摂取カロリーを守りながら、栄養をバランスよく摂取することがポイントです。食事は規則正しい時間に3回に分けて摂取することが望ましいです。外食や間食、飲酒時などには、カロリーが過剰になりがちですので、特に注意して下さい。詳しくは食品交換表を参考にして下さい。

 

●適正摂取カロリーの出し方

 まず標準体重を計算します。 そこに生活活動強度をかけて適正摂取カロリーを算出します。

適正摂取カロリー

●食品交換表

食品交換表

●カロリー制限以外に注意する点

・油脂類は過剰にならないよう注意する、できるだけ多価不飽和脂肪酸を多く含むものを使用する
・食物繊維を十分に摂取する
・適量のアルコールは、食事療法が守れ、血糖コントロールを乱さないことを条件に認めても良い
・砂糖や菓子類・清涼飲料水は、極力控える
・高血圧があれば、腎症予防のために早期から塩分を制限する
・腎症があれば、腎症進行防止のため、塩分とタンパク質を制限する

 

運動療法

 運動不足もインスリンの働きが弱くなる(インスリン抵抗性)原因の一つであり、食事療法と並んで運動療法も重要です。

 運動を行うと、余分なブドウ糖が消費されて血糖値が下がるのみではなく、脂肪の元(脂肪酸)が消費されて肥満の解消にもなり、さらにインスリンの働きも高まります(インスリン抵抗性の改善)。運動療法には他にも、血圧が下がる、HDL(善玉)コレステロールが増える、心臓や肺の機能が高まる、筋肉の衰えや骨粗鬆症の予防になる、全身的な血液の循環が良くなる、ストレスの発散になるなどのメリットもあります。

 運動は、1日に1~3回、15~30分間くらい、早歩きなど少し息がはずむ程度の運動を行うのがおすすめです。通勤の時に一駅前で降りて歩くとか、万歩計を持って1日1万歩を目指して歩くのも有効です。膝や足が痛い場合には、プールでの歩行や水泳はいかがでしょうか。体が不自由であまり動けない方は、イスに腰掛けて手足の体操をするだけでもある程度の効果があります。毎日コンスタントに続けることが重要なので、自分にあった無理なく続けられる方法を考えてみて下さい。あわてて無理をせず、徐々に体を慣らしていくことが大切です。

 ただし、運動によって直接消費できるカロリーは、案外少ないと思って下さい。運動して食欲が出たからといって食事の量が増えると、運動の効果よりも食事量の増加の方が勝ってしまいます。

 また、血糖コントロールが極端に悪い場合や合併症が進行している場合など、状態によっては運動をしない方が良い場合もあります。新しく運動療法を始める場合は、まずは主治医に相談して下さい。

 

■糖尿病の運動療法のポイント
  • 1日に1~3回、15~30分間くらい行う
  • 可能であれば食事の30分後に行うのがベスト
  • 少し息がはずむ程度の運動強度
  • 1日1万歩を目指して歩く
  • 自転車での通勤
  • プールでの歩行や水泳

薬物療法

 2型糖尿病では、食事療法や運動療法を行っても血糖値が高い状態が改善されない場合には、血糖を下げる作用のある内服薬を開始します。
 糖尿病に使用する主な内服薬には、αーグルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、ビグアナイド薬、インスリン抵抗性改善薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬など多くの種類がありますが、これらの中から患者様の年齢、合併症の有無、体型、生活スタイルに合わせて、適切な薬を使用します。近年は様々な種類の薬が開発されて、以前よりも副作用が少ないものが増えました。
 糖尿病の治療で大切なのは、長い目で見て合併症を防ぐことにあります。血糖値が安定していると言われても、治ったと思って治療を中断しないことが大切です。別の病気の治療を始める場合など、気になることがあれば医師に相談して下さい。また、体調が悪くて食欲がない場合には、薬の調節が必要になりますので、必ず主治医に相談して下さい。

 

■インスリン療法

 内服薬を使用しても血糖値が高い状態が改善されない場合には、インスリン療法の併用を考慮します。
 インスリンとは、膵臓から分泌される血糖値を低下させるホルモンですが、糖尿病ではこのインスリンが不足します。インスリン療法とは、不足しているインスリンを注射によって補う治療法です。注射といっても、現在のペン型注射器は、針はとても短く、痛みも少なく、とても扱いやすいものです。
 高血糖の状態が続くとインスリンの働きが弱くなったり、インスリン分泌が低下しますが、インスリン療法によって血糖コントロールをしっかり行うと、再びインスリンなしでもコントロールできるようになることもよくあります。インスリン療法により合併症の進行を防ぐことはできますが、進んでしまった合併症を元に戻すことは難しいため、合併症を生じる前に、しっかりと血糖コントロールを行わなければなりません。
 インスリン注射を開始する際には、手技の取得などのため教育入院が必要な場合がありますので、その場合は専門病院(岡崎市民病院など)への紹介を行います。

診療時間

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