医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

お問い合わせ・ご予約は
TEL 0564-21-0013

頭痛

>>頭痛のチェックシートへ

頭痛

 頭痛は、きわめてありふれた症状で、日本人の3人に1人が頭痛持ちと言われています。多くの方は市販の頭痛薬などで対処しておられますが、中には、薬の効果が不十分で、強い頭痛のため日常生活に支障をきたしている方もたくさんおられます。また頭痛の辛さは周囲の人にあまり深刻に受け止めてもらえない場合がほとんどです。
 頭痛の原因の多くは、片頭痛緊張性頭痛などの慢性頭痛ですが、これらは生活習慣の改善や頭痛薬を正しい方法で使用することが必要です。一方、強い頭痛が急にあらわれた場合には、くも膜下出血髄膜炎・脳炎などのことがあり、これらは早期の診断と治療が必要です。
 頭痛の種類によって対処方法や使用する薬が異なりますので、まずは詳しい問診や診察によって、頭痛の原因を特定し、適切な治療に結びつけることが重要です。
 「脳の病気が心配」「頭痛がひどくて寝込んでしまう」「鎮痛薬の飲み過ぎが心配」など、頭痛に関してご心配なことがあれば、どうぞお気軽に当院にご相談下さい。

急にあらわれた強い頭痛

 急にあらわれる強い頭痛の原因として、以下のものがあります。今まで経験したことがないほど強い頭痛の場合には、くも膜下出血や髄膜炎・脳炎などの、緊急を要する病気のことがあるため注意が必要です。

くも膜下出血や脳出血

 くも膜下出血とは、脳表面の動脈のこぶ(動脈瘤)が破れて脳を包んでいる膜の すき間に出血する病気です。
 一瞬のうちに、今までに経験したことのないような激しい頭痛が生じ、時として意識がなくなることもあります。通常は手足の麻痺は起こりません。くも膜下出血を発症すると、3分の1の方は死亡し、たとえ助かっても半数の方は後遺症が残ります。
 前触れ発作として、突然の強い頭痛が起こっても、短時間で良くなって、歩いて医療機関を受診される場合があります。しかし、大出血を起こす前のこの段階で見つけて治療につなげることが重要です。
 脳出血とは、脳の内部で血管が破れて出血する病気です。
 頭痛はあっても軽度のことが多く、ある時突然に手足の麻痺やしびれがあらわれます。  

>>脳梗塞と脳出血へ

椎骨動脈解離

 椎骨動脈解離とは、椎骨動脈(脳に血流を送る動脈の一つ)の血管の壁が裂ける病気です。
 裂けた血管がつまると脳梗塞に、血管が破れるとくも膜下出血になります。
 スポーツやカイロプラスティックなどの首をひねる動作が原因となる場合が多いですが、原因がハッキリしない場合もあります。
 40歳前後に多く発症します。主な症状は、首をひねった瞬間あるいは少し遅れて、後頭部に強い痛みが走ります。その後、血管の裂け目が広がると、めまいや喋りにくさ、手足の麻痺やしびれなどがあらわれます。
 麻痺などの強い神経症状があらわれる前の段階で見つけて治療につなげることが重要です。

感冒(いわゆる風邪)に伴う頭痛

 感冒では、発熱に加えて、のどの痛み、鼻水、咳、頭痛などを生じますが、ウイルスの種類によっては、発熱と頭痛が中心のこともあります。
 初期の治療は風邪薬や通常の鎮痛剤で良いですが、長引く場合には、片頭痛や緊張性頭痛に準じた治療が必要となることもあります。
 また今まで経験したことがないほど強い頭痛の場合には、髄膜炎の可能性がありますので、注意が必要です。  

髄膜炎・脳炎

 髄膜炎とは、ウイルスや細菌などの微生物が脳の表面にある髄膜に感染を起こしたものであり、その感染が脳の内部にまで及んだものが脳炎です。
 通常の風邪のウイルスでも軽度の髄膜炎を起こす場合があり、高熱、強い頭痛、吐き気などを生じますが、この場合は重症化せず、1週間程度で改善します。
  一方、ヘルペスウイルスや細菌による髄膜炎・脳炎では、重症化して、意識がもうろうとしたり、異常行動がみられたり、痙攣を起こすことがあります。
 ヘルペスウイルスや細菌による髄膜炎・脳炎では、治療が遅れると後遺症を残す場合があるため、早期の診断と治療が大切です。

 

慢性頭痛(片頭痛と緊張性頭痛)

 以前からしばしば頭痛があるという場合には、片頭痛あるいは緊張性頭痛のことがほとんどです。片頭痛は全人口の8%、筋緊張性頭痛は全人口の22%にみられる頻度の高い病気です。ただし慢性の頭痛でも、これまでの頭痛よりも強い場合や、日に日に痛みが悪化してくる場合には、別の原因が隠れている可能性がありますので注意が必要です。

片頭痛

片頭痛 片頭痛とは、片側のこめかみにズキンズキンと脈打つような痛みが、発作的に起こるタイプの頭痛です。原因は、脳の血管の収縮と拡張をコントロールする働きの低下により、ストレスなどが引き金になって、脳の血管が拡張しすぎることで、ズキンズキンと拍動するような頭痛が生じるといわれています。若い女性に多く、全人口の8%にみられます。
 主な症状は、片側のこめかみがズキンズキンと脈打つような痛みで、1~2時間で痛みがピークになり、数時間~半日続きます。頭痛は片側性のことが多いのですが、両側性のこともあります。頭痛発作の間は、頭や体を少し動かすだけで痛みが強くなり、ひどい場合は、痛みのため仕事が手につかなくなったり、寝込んでしまう方も珍しくありません。吐き気を伴ったり、普段気にならない程度のまぶしさや騒音や匂いを不快に感じることがあります。ぐっすり眠ると楽になることが多く、痛みが治まれば何事もなく生活できます。
 頭痛発作は10~20歳代で始まることが多く、1ヵ月に数回から数ヵ月に1回くらい繰り返します。
 寝不足や寝過ぎ、過労やストレス、赤ワイン・チーズなどの食べ物が原因になることもありますが、逆にストレスから解放されることが引き金になって頭痛が起こる場合もあります。女性ホルモンも関連しているといわれており、生理中に強い頭痛を生じる場合には片頭痛の可能性が高いです。
 人によっては、頭痛発作の数日前から生あくびや落ち着かない感じなどの予兆があらわれたり、頭痛発作の数十分前から目の前にギザギザしたフラッシュのような光があらわれて見えにくくなるなどの前兆症状が起こることがあります。片頭痛ではMRIなどの画像検査では異常ありません。

片頭痛 頭痛が軽い場合には、市販の痛み止め薬でも効果があります。痛みが起こって早めのタイミングで飲むと効きやすいですが、痛みが強くなってから飲んでもあまり効きません。また、痛み止め薬を使用しすぎると、かえって頭痛が誘発される場合(薬剤使用過多による頭痛)があるので、医師の指示に従って適切に使用することが大切です。通常の痛み止めが効かない場合には、「トリプタン薬(血管の拡張を調節する薬)」という片頭痛の特効薬があり、多くの方はこの薬で十分緩和されます。頭痛発作が頻繁な場合には、予防のため、降圧薬の一種や抗てんかん薬などを使うことがあります。

緊張性頭痛

片頭痛 緊張性頭痛とは、後頭部の重たいような痛みが、毎日のように続くタイプの頭痛です。原因は、首や肩の筋肉が緊張して、筋肉内の血行が悪くなることで、疲労物質がたまるために生じるといわれています。日本人に特に多い頭痛であり、全人口の22%にみられます。
 主な症状は、後頭部の重たいような痛みや、頭の周りを何かで締め付けられるような痛みで、首筋や肩の凝りを伴うことが多いです。寝込んでしまうほどの激痛ではないですが、いつとはなしに始まって、毎日のようにダラダラと続きます。不自然な姿勢を長時間続けた時や精神的ストレスによって悪化します。緊張性頭痛ではMRIなどの画像検査では異常ありません。
 痛みの解消のためには、仕事の合間に適度の休養をとる、作業の姿勢を見直す、肩凝り体操を行う、ゆっくり入浴する、十分な睡眠をとる、などが有効です。痛みが強い時には、痛み止め薬や、筋肉の緊張をほぐす薬を使用します。但し、痛み止め薬を使用しすぎると、かえって頭痛が誘発される場合(薬剤使用過多による頭痛)があるので、医師の指示に従って適切に使用することが大切です。

その他の慢性頭痛

薬物使用過多による頭痛

 慢性頭痛において、毎日のように鎮痛薬を使用したり、時には用量を超えて使用してしまう場合もあるようです。しかし、長期間にわたって痛み止め薬を使用しすぎると、今まで効いていた薬が効かなくなったり、薬が切れてくるたびに強い頭痛があらわれる状態になってしまうことがあります。
 この場合には、原因となった薬を中止して、頭痛の予防薬を使用しながら、適正使用に戻す必要があります。

群発頭痛

 群発頭痛とは、毎日夜中や明け方に、片側の目の周囲に非常に強い痛みがあらわれるタイプの頭痛です。原因はまだ良く分かっていません。若い男性に多く、全人口の0.1%にみられます。飲酒が頭痛発作の原因となることがあるため、頭痛発作の期間中は禁酒することが必要です。
 主な症状は、毎日夜中や明け方の一定時間に、片側の目の奥やその周囲に、非常に強い頭痛が起こり、1~2時間続きます。頭痛と同じ側に、目の充血や鼻づまりがあらわれるのが特徴です。ある一定期間(1~2ヶ月間)は毎日のように痛みがあらわれますが、その期間を過ぎると何事もなく生活できます。群発頭痛ではMRIなどの画像検査では異常ありません。
 一般的な痛み止め薬はあまり効かないことが多く、トリプタン薬や頭痛の予防薬を使用します。ひどい場合は入院して酸素吸入を行う場合もあります。

慢性硬膜下血腫

 慢性硬膜下血腫とは、頭部の打撲がきっかけとなって、頭蓋骨内部(脳を包む硬膜の下)にゆっくりと血がたまる病気です。頭痛はあっても軽度のことが多く、数週間かけて認知症症状や手足の麻痺が出現します。    

脳腫瘍

 脳腫瘍とは、脳の内部や脳の周囲にできる腫瘍です。他の部位の癌が転移してくる転移性脳腫瘍と、脳そのものから腫瘍ができる原発性脳腫瘍があります。主な症状は、朝起きた時の頭痛や吐き気、眼のぼやけ、痙攣発作などが多いですが、進行すると手足の麻痺、言葉の障害、急に認知症になったかのような異常行動がみられる場合があります。疑わしい症状がある場合には頭部画像検査を行います。

蓄膿症(副鼻腔炎)

 副鼻腔とは、顔面の骨の内部にある空洞で、鼻の穴の奥の方で、ほっぺたの骨の内部(上顎洞)や眉の骨の内部(前頭洞)へとつながっています。感冒や花粉症により鼻の粘膜に炎症が起こると、鼻水や鼻づまりを生じますが、その状態がこじれてひどくなると、副鼻腔にまで炎症が及んで、膿が貯まった状態になります。
 主な症状は、ひどい鼻づまりになって、ドロッとした黄緑色の鼻水が出たり、嫌なにおいを感じることなどですが、目の周囲やほっぺたの奥の方に、重苦しいような、ズキンズキンするような痛みが生じることもあります。
 頭痛薬のみでは改善しないため、抗生物質や抗アレルギー薬を使用します。

側頭動脈炎

 側頭動脈炎とは、側頭動脈の血管炎のために、こめかみ部の痛みを生じる病気です。原因は良く分かっていませんが、免疫の異常が関与しているといわれています。
 主な症状は、65歳以上の方に急に、片側のこめかみ部(側頭部)に拍動性の強い痛みがあらわれ、ものを噛む時にはあごの痛みを生じます。高熱や首から肩にかけての筋肉のこわばり(リウマチ性多発筋痛症)を伴うことがあります。眼の動脈にも炎症が広がると、目の痛みや視力障害があらわれることがあり、ひどい場合には失明します。
 視力障害が生じる前の早期の段階で、ステロイド薬による治療を開始することが大切です。専門的治療が必要と判断された場合には、膠原病内科に紹介させていただく場合がございます。

>>首から肩にかけての凝ったような・こわばるような痛み(リウマチ性多発筋痛症)

睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に数十秒間呼吸が止まる病気です。 太っている人、小顔であごが小さい人、脳卒中や心不全になったことがある人に多く、男性では全人口の3%、女性では0.5%にみられるよくある病気です。
 主な症状は、朝起きた時の頭痛やのどの痛み、息苦しさのために夜中にハッと目が覚めることがある、夜ぐっすり眠れた感じがせずに疲れが取れない、日中に眠たい、運転中や会議中など大事な場面で意図せず眠ってしまうなどです。他にも高血圧、メタボリック症候群、心筋梗塞、脳卒中、突然死などの原因にもなるといわれていて、最近注目されています。
 診断には、一緒に寝ている方に大きないびきや無呼吸(一旦いびきが止まって大きな呼吸とともに再びいびきが始まる症状)があるかどうかを確認することが重要です。疑わしい場合には簡易式検査装置での検査をお勧めします。
 治療は、横向きで寝るだけで改善する場合もあります。まずはダイエットや寝る前の飲酒の中止が重要ですが、症状がひどい場合には夜間に鼻マスク式の人工呼吸器を装着することで改善を図ります。

低髄液圧症候群

 脳や脊髄は、硬膜という膜で覆われていて、その内部は脳脊髄液という液体で満たされています。(脳や脊髄は袋の中で液体に浮かんでいる状態)。
 低髄液圧症候群とは、硬膜が破れて脳脊髄液が漏れるために、内部の水圧(髄液圧)が下って、頭痛などを生じる病気です。
 主な症状は、長い時間立っていると段々頭痛が強くなっていきますが、横になると改善します。そのため臥床がちの生活になってしまう場合もあります。吐き気やふらつき感や耳鳴を起こすこともあります。
 髄液検査などの医療行為を行った場合でも、針を刺した部位に脳脊髄液の漏れを起こして、同様の症状が起こりますが、この場合はごく小さな穴なので、1週間以内には改善します。交通事故などによる損傷で、硬膜の裂け目が大きいと、症状が長引くことがあります。
 髄液圧の低下が原因のため、鎮痛剤はあまり効きません。まずは2週間程度、しっかり水分摂取しながら、安静にして過ごすことが大切です。症状がひどい場合には精密検査を行い、漏れている場所が特定できれば、専門の医療機関(中京病院など)で血液注入療法を行います。

 

最新情報は「院長コラム」にて更新しています

医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

〒444-0038 
愛知県岡崎市伝馬通 5-52
TEL 0564-21-0013

診療時間
9:00~12:00 × ×
16:00~19:00 × × ×
休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日