嚥下障害
こんな症状でお困りではありませんか
こんな症状でお困りではありませんか
食事でむせる、飲み込みにくい、痩せてきたなどの症状でお困りの方はありませんか。以下のような症状は、飲み込みの障害(嚥下障害)かもしれません。
このような症状があらわれた場合は 嚥下障害の可能性があります
嚥下障害とは
嚥下障害とは
嚥下障害とは、病気や老化などの原因により、口から食道までの食べ物の通り道のどこかに問題が生じて、スムーズに飲み込めなくなる障害のことです。
また食べ物が食道ではなく、間違って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。健康な人でもボーっとしていると食べ物が気管に入ってムセてしまうことがあります。人はムセることによって飲み間違えたものを気管から出そうとするため、たまに誤嚥するだけであれば肺炎になることはまずありません。
しかし嚥下障害が重度になると、頻繁に誤嚥するようになります。その状態が長く続いてのどの感覚が麻痺してムセが出にくくなると、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こしてしまうようになります。
嚥下障害の原因
嚥下障害の原因
年齢とともに飲み込みのスピードが遅くなったり飲み込む筋力が弱くなったりすると言われています。そういう状態にある高齢者が何らかの病気(たとえば骨折や感染症)を合併すると、数日前まで普通に食事を食べていたのに、それをきっかけに嚥下障害が明らかになってしまうというケースがとても多くみられます。
他には脳卒中によって、のどの筋肉がマヒした場合や、神経難病(パーキンソン病や脊髄小脳変性症など)によって飲み込み運動のコントロールが悪くなった場合、口やのどの手術を受けた場合などに、嚥下障害が生じることがあります。
嚥下障害の 検査方法
お食事をしているけれども飲み込みに不安のある方、誤嚥性肺炎の危険性があると言われた方、過去に嚥下障害のため胃瘻となり、以後の評価もないままずっと食事を中止している方など、一度詳しい検査を受けてみませんか?
■簡易嚥下機能検査
お水を飲んだり食事を食べていただく時に、のどに手を当てたり、聴診したりして、飲み込む様子を観察します。
■嚥下内視鏡検査
診察室あるいは訪問先のご家庭で、太さ3mmくらいの細い内視鏡を鼻から入れて、のどの奥を直接観察する検査 です。のどの奥に痰がたまっている様子や感覚刺激に対する反応を観察したり、実際に患者様に着色した液体やお粥 などを食べて頂き、食物を飲み込んだ後の誤嚥や食物残留 の様子から、食事を誤嚥なく食べられるかどうか、どのような食形態や姿勢の工夫が必要かを調べることができます。 検査機器を持ち運んで手軽に検査を行えるため、患者様の状態変化に合わせて繰り返し検査することができます。但し、飲み込む瞬間の様子を見ることはできません。
■嚥下造影検査
レントゲン室で、飲み込む時の食物の動きやのどの動きを、X線透視装置によって観察する検査です。実際に患者様にバリウムを混ぜた液体やお粥などを食べて頂き、食物 が口から咽頭へと送り込まれる様子、飲み込む瞬間ののど の動きと誤嚥の様子、飲み込んだ後の食物残留の様子から、食事を誤嚥なく食べられるかどうか、どのような食形態や姿勢の工夫が必要かを調べることができます。嚥下障害が重度の場合や誤嚥性肺炎を繰り返す場合に、食形態や姿勢をより厳密に調節したり、改善にはどのような訓練が有効かを検討することができます。詳しい情報が得られますが、レントゲン室でないと行えません。
■頭部画像検査
当院にはCTやMRIなどの頭部画像検査装置はありませんが、嚥下障害の原因の確認が必要な場合には検診センターなどでの検査をお勧めすることがあります。
嚥下障害の治療とリハビリ
嚥下障害の治療とリハビリ
肺炎を繰り返すと、だんだん体が衰弱してしまって、余計に飲み込むことが難しくなるという悪循環に陥ってしまいます。適切なケアと対策を行うことで、誤嚥性肺炎を防ぎ、飲み込む力を改善に向かわせることが重要です。
口腔ケアの指導
口の中の雑菌が多いと、嚥下運動がしにくいばかりか、少しの誤嚥でも肺炎に繋がってしまいます。口の中を清潔に保つことが嚥下障害の改善、および肺炎防止の第一歩です。口内清拭のコツや保湿剤の使い方などを指導します。
食事の形態や食事姿勢の指導
患者様の飲み込みの様子から、普通の食事でよいか、トロミをつけた方が良いか、ムースにした方が良いかなど、どの食事形態が良いかを指導します。また調理方法の指導、飲み込みやすい食品の紹介なども行います。
姿勢を変えるだけで誤嚥しにくくなる場合も多く、うつむき姿勢にしたり、リクライニング姿勢にしたり、首の向きを変えたりなど、どの姿勢であれば誤嚥せずに安全に食べることができるかを指導します。
嚥下リハビリ
患者様の状態に合わせて、嚥下体操、アイス棒マッサージ、口や舌の運動訓練、発声や構音の訓練、排痰の訓練、ブローイング訓練(ストローで水をブクブクさせる)、舌突出嚥下訓練、頭部拳上訓練(喉頭を持ち上げる筋肉を鍛える)、バルン拡張訓練(風船カテーテルで食道の入り口を拡張する)などを行います。
口からの栄養摂取が困難な場合には、間欠的経管栄養法(食事の時だけチューブを飲んでチューブから栄養を注入する方法)を指導する場合もあります。
内服治療
降圧薬やパーキンソン病治療薬の中には、脳の中の神経伝達物質の一種であるサブスタンスPを増やして嚥下を改善させる効果がある薬もあります。そういった嚥下障害を改善させる薬や、痰が切れやすくなる薬を処方する場合があります。
一方、嚥下障害や食欲低下の原因となる薬剤を服用されている場合には、減量や中止をお願いする場合があります。
栄養改善
嚥下障害があると、一口一口食べるのにとても時間がかかったり、ムセてしまって飲み込みにくかったり、気づかないうちに肺炎を繰り返してしまうなどの理由で、痩せてしまうことが多いです。
そのため栄養改善の対策をして頂くことがとても重要です。患者様にとって最も飲み込みやすい食事形態にして頂くとともに、効率的にエネルギーを摂れる食事内容に変更して頂いたり(ダイエットの逆)、ジュース状やゼリー状の栄養補給剤を飲んで頂くなどの方法があります。
嚥下障害を生じると、楽しいはずの食事が苦痛なものに変わってしまいます。当院では、食べることや飲み込むことで困っている方を対象に「嚥下外来」を設置しています。飲み込みの動きを調べる検査、食べ方や調理の工夫、リハビリのやり方などの指導を行っています。
嚥下障害の治療は患者様が主役です。私どもは安全に楽しく口から食べるために患者様のお手伝いをさせて頂きます。人生最後まで口から食べられることを目指して、一緒に取り組みましょう。
嚥下のことについて気になることがございましたら、是非一度ご相談ください。
※「嚥下外来」は、予約制になっております。またご自宅や施設などへ訪問での嚥下内視鏡検査も実施しております。詳しいことは下記までお問い合わせください。
診療時間
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