医療法人 大原内科医院
りゅう市役所北 内科・リハビリ科

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首の症状

首の症状

 首の痛みの原因は、痛む場所やどんなふうに痛むのかによって様々です。首の横側(右頚部や左頚部)にしこりがあって押さえた時に痛いならウイルス性や細菌性のリンパ節炎、首から肩にかけての凝ったような・こわばるような痛みなら肩こり症やリウマチ性多発筋痛症、首から肩にかけての引っ張られるような・しびれを伴う痛みなら頚椎症胸郭出口症候群、首が痛くて横を向くことができないなら、寝違え頚椎偽痛風の場合が多いです。しかし、首の後ろ側に強い痛みがある場合は、緊急を要する病気の可能性があり、注意が必要です。

首のしこり・痛み

頚部リンパ節腫脹・頚部リンパ節炎

 ウイルス感染症(感冒)や頭部の湿疹によって首の横側にしこりができる(リンパ節が腫れる)ことはよくあります。この場合はしこりを指で押さえると軽い痛みがあり、1㎝以上の大きさにはならないのが特徴です。数日でピークを過ぎて小さくなりますが、2週間くらい続く場合もあります。
 しこりが1cm以上の大きさになって強い痛みがある場合には、のどや歯の細菌感染がリンパ節に広がったもの(化膿性リンパ節炎)の可能性があります。
 一方、しこりがどんどん大きくなって2㎝以上になったけれども痛みがない場合には、悪性リンパ腫癌のリンパ節転移の可能性があるため、早期に詳しい検査が必要です。

首のしこりのタイプ

1cm未満
1cm以上
2cm以上

首から肩にかけての凝り・こわばり

 首の後ろ側から肩にかけて、凝ったような軽度の痛みがずっと以前から続いているという場合には、肩こり症や緊張性頭痛のことが多いです。65歳以上の高齢者で、首から肩にかけての強いこわばり感があって、痛みのために朝起き上がることができない場合には、リウマチ性多発筋痛症のことがあります。

肩こり症

 肩こり症とは、首筋から肩や背中にかけて、凝ったような張ったような痛みを生じる病気です。僧帽筋という筋肉が緊張しすぎた状態が原因ですが、長時間同じ姿勢での作業(特に猫背の姿勢)、重たい肩かけカバン、ネクタイなど窮屈な服装、精神的緊張やストレス、冷えによって悪化します。肩こり症がひどいと慢性頭痛(緊張性頭痛)の原因にもなります。
 長時間作業を続ける時には30分に1回軽い体操をする、入浴して身体を温めリラックスすることが有効です。肩こり症がひどい場合には、筋肉の緊張をやわらげる薬を使用したり、マッサージ療法や温熱療法を行います。

>>よくある慢性頭痛へ

リウマチ性多発筋痛症

 リウマチ性多発筋痛症とは、免疫の異常によって筋肉や関節周囲の炎症を起こして、肩と太ももに朝のこわばりを生じる病気です。リウマチという名前が使われていますが、関節リウマチとは違う病気です。
 65歳代以上の高齢の方に発症し、首から肩や上腕にかけてと、腰からお尻や太ももにかけて、朝起きた時に筋肉がこわばるような強い痛み(朝のこわばり)が出現します。動き始めに症状が強いのが特徴で、朝起きた時には痛みのために起き上がったり寝返りをうつことすらできませんが、30分以上かけて少しずつ体がほぐれてくると動けるようになります。症状は急に始まりますが、適切な治療をしないと数ヵ月以上そのまま続くため、要介護状態や寝たきり状態になってしまう場合もあります。病院を受診しても原因不明の炎症とか五十肩などといわれて中々診断がつかず、抗生物質や鎮痛剤を使用しても改善せず、いくつかの医療機関を転々とするケースも少なくありません。
 リウマチ性多発筋痛症は、少量のステロイド薬を使うと、2~3日以内に劇的に改善します。しかし、症状が良くなったからと勝手に中止してしまうと再発する場合が多いため、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。
 なお、この病気の中には悪性腫瘍が原因で生じる場合があり、他にも感染性心内膜炎(心臓の細菌感染症)や結核菌感染症と紛らわしい場合があるため、治療開始時には全身のチェックが必要です。

 

首から肩にかけてのしびれを伴う痛み

頚椎症(頚部脊柱管狭窄症・変形性頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア)

頚椎症 首の骨(頚椎)は縦に7つの骨が連なっていますが、その中心部には骨のトンネル(脊柱管)があって、その中に脊髄が通っています。脊髄から枝分かれした神経は、小さな穴(椎間孔)を通って骨のトンネルから外に出て、腕や手へとのびています。また頚椎の骨と骨の間にはクッション(椎間板)があって、それにより首を前後左右に動かすことができます。

 頚椎症とは、年齢とともに骨や椎間板に老化が生じて、神経の通り道(脊柱管や椎間孔)に骨のとげや椎間板が飛び出すことによって、神経が圧迫されて、痛みやしびれが起こる病気です。頚椎症には色々なタイプがあって、頚部脊柱管狭窄症(生まれつきまたは加齢によって骨のトンネルが狭いもの)、変形性頚椎症(加齢によって頚椎の骨が変形しているもの)、頚椎椎間板ヘルニア(椎間板が飛び出しているもの)などともよばれます。
 頚椎の年齢による変化は、40歳頃から出てきて、高齢になるほど強くなります。通常は、数年以上の経過でゆっくりと症状が出てきますが、元々頚椎症のある方が、転倒した場合にはそれを契機に急激に悪化することもあります。
 初めは、首から肩にかけての凝ったような痛みや、首を反って上を向いた時や後方を振り返った時に、首から肩や腕にかけてビリっとしびれるような痛みから始まります。
 進行すると、腕や手のしびれがいつも続くようになりますが、通常は1本の神経だけが障害されるため、腕や手指全体がしびれることはなく、それぞれの神経に沿った範囲のしびれ(つまり第6神経根なら親指と人差し指、第7神経根なら中指、第8神経根なら薬指と小指)になります。さらに進行すると、手の筋肉が委縮して、手指の細かい作業ができなくなって、箸やボタンかけが難しくなります。
 脊髄にも圧迫が生じた場合は、上肢や下肢の広い範囲がしびれるようになり、足がつっぱってつまづきやすい、階段を下りる時に手すりが必要、尿が出にくいなどの症状があらわれます。

 症状が悪化した時には、数週間は安静にして過ごすことが必要で、首に負担のかかる動作(空を見上げる、洗濯物干し、悪い姿勢でTVをみるなど)を避けるようにします。就寝時には枕の高さを調節することも必要です。痛みが強い時には、痛み止め薬や筋肉の緊張をやわらげる薬を使用したり、頚椎固定用のカラーを首に装着します。安静により強い痛みが取れてきたら、リハビリとして温熱療法、マッサージ療法、頚椎牽引療法、低周波電気治療などを行います。安静にしても中々改善せず、日常生活に大きな支障がある時には、手術を考慮する場合があります。

枕の高さ調整
頚椎固定用カラー

胸郭出口症候群

 胸郭出口症候群とは、腕や手に行く神経(腕神経叢)や動脈(鎖骨下動脈)が、鎖骨の周辺で骨のでっぱりなどによって圧迫されるために、首や肩の痛み、腕や手のしびれやだるさを生じる病気です。
 鎖骨の周辺には神経や動脈が圧迫されやすい場所が3ヶ所あって、一つ目は首の付け根の筋肉(前斜角筋と中斜角筋)の間のすき間で圧迫されるもの(斜角筋症候群)で、猫背の人が長時間下を向いてデスクワークをした時によく症状がみられます。頚椎の骨奇形(頸肋)が原因となる場合もあります。二つ目は鎖骨と肋骨の間のすき間で圧迫されるもの(肋鎖症候群)で、なで肩の女性が長時間重い買い物袋を下げた時によく症状がみられます。三つ目は肩甲骨上部の突起(烏口突起)の下のすき間で圧迫されるもの(過外転症候群)で、長時間腕を挙げた状態で作業する(電車の吊革につかまる・洗濯物を干す・窓拭き)時によく症状がみられます。
 主な症状は、特定の姿勢で作業している時に、鎖骨付近にうずくような痛みが生じたり、腕や手の小指側にしびれやだるさがあらわれたり、手の力が入らず細かい動作ががしにくくなったります。
 症状改善のためには、症状を悪化させる作業(腕を挙上した位置での作業、重い物の持ち運びなど)を避けるようにして、デスクワークの場合は症状が出にくい姿勢になるよう工夫することが重要です。またリハビリとして、肩をすくめる姿勢をとる体操をしたり、肩甲骨周囲の筋力強化を行う場合もあります。痛みやしびれが強い場合には、痛み止め薬やビタミン薬などを使用する場合もあります。  

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肩をすくめる体操

 

痛くて横を向けない

 朝起きた時から首が痛くて、じっとしていると良いけれど、動かすと痛いため横を向くことができない(首が回らない)という場合には、寝違え頚椎偽痛風の可能性があります。  

寝違え

 寝違えとは、朝起きた時に、首の痛みのため横を向くことができない症状のことです。不自然な姿勢で長時間眠っていたために、首の筋肉(肩甲挙筋など)に急性の炎症が起きることが原因と言われています。朝起きて、横を向こうとした時に、首の付け根が痛むためそちらを向くことができない(首が回らない)という症状があらわれます。時として寝起きではないのに日中に同様の症状が起こることもあります。痛みは数時間で自然に改善しますが、首の筋肉の緊張を和らげるストレッチをすると、早く楽になります。

寝違え解消ストレッチの方法

1
2
3

1〜3を左右交互に行ってください。

●頚椎偽痛風(クラウンドデンスCrowned Dens症候群)

 偽痛風とは、加齢が影響して、膝や首などの関節にピロリン酸カルシウムの結晶ができて炎症を起こす病気です。痛風の痛みに似ているけれど痛風ではないことからこう呼ばれています。頚椎の1番目の骨(環椎)と2番目の骨(軸椎)の間にもしばしば偽痛風が起こり、これを頚椎偽痛風(クラウンドデンス症候群)と呼びます。
 高齢の女性に多く、ある日急に、首の上部に激しい痛みが起こって、寝違えたみたいに首が回せないとの症状があらわれます。発熱を伴ったり、飲み込むのが困難なほど痛みが強い場合もあります。
 安静と鎮痛剤により、通常は1週間で軽快しますが、症状を繰り返す場合があります。

 

首の後ろ側の強い痛み

 首の後ろ側の強い痛みの場合には、緊急を要する病気の可能性があるため、注意が必要です。特に、首の後ろ側に、今まで経験したことがないほどの強い痛みがあらわれた場合や、(いきなりバットで殴られたように)突然痛みが始まった場合、動かしても楽な姿勢でじっとしていても同じように激しく痛む場合には、クモ膜下出血、椎骨動脈解離、髄膜炎・脳炎、化膿性脊椎炎、脊椎への癌の骨転移などの可能性があります。これらの病気は、一刻も早く診断して治療を開始する必要があります。

 

>>急にあらわれた強い頭痛(クモ膜下出血、椎骨動脈解離、髄膜炎・脳炎)
>>緊急を要する腰痛(化膿性脊椎炎、脊椎への癌の骨転移)

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