意識障害
短時間の意識障害(一過性意識消失・失神)
何らかのきっかけで意識をなくして、数秒から数分以内に回復する意識障害のことを、「一過性意識消失(あるいは失神)」と言います。
一過性意識消失の原因の多くは、神経調節性失神です。これはお風呂でのぼせた時や、食事やトイレの後で立ち上がった時、長い時間立っていて疲れてしまった時などに、血圧が下がり過ぎて、クラっと倒れそうな感じのめまいがして、さらに意識までなくしてしまった状態のことです。
一方、(食事やトイレの後で立ち上がったなどの)きっかけがないのに一過性意識消失を起こす原因として、心臓の病気とてんかんなどがあります。
心臓の病気による一過性意識消失
心停止を生じる不整脈(洞不全症候群)や著しい頻脈を生じる不整脈(心室頻拍)の発作では、一時的に心臓から血液が送り出せなくなり、脳への血流が低下するため、めまいや意識消失を起こします。数分以上その状態が続けば死に至ることもある危険な病気です。心臓の弁に重度の異常がある場合にも、心臓から血液が送り出せなくなり、同様の症状を起こします。
(お風呂でのぼせたり食事やトイレの後で立ち上がったなどの)きっかけがないのに意識消失を生じるのが特徴で、休んでいる時にいきなり意識を失うケースも、歩行中にいきなり意識を失って倒れてしまうケースもあります。前触れとして動悸や胸の違和感が出る場合もありますが、前触れがないこともあります。
きっかけなくいきなり意識を失ってしまった場合には、24時間心電図などの詳しい検査をすることをおすすめします。
てんかん
てんかんとは、脳細胞の異常な電気的活動によって全身痙攣などの発作を繰り返す病気です。脳に生じた微細な傷が原因になる場合が多く、生まれつきの脳の障害や、脳の外傷、脳卒中、脳炎、脳腫瘍などの病気によって起こります。しかし、6割の方は原因がはっきりしない(特発性の)てんかんです。
発作症状は人によって様々で、突然、意識を失い、手足をバタバタと動かしたり体をつっぱらせたりする発作が多いですが、他にも、短時間ボーっとして記憶が飛ぶ、急にウロウロと動き回るという発作もあります。発作の数秒前に、ムカムカする、光が見える、片側の手が勝手にピクピク動くといった前触れ症状が出る場合もありますが、前触れがないこともあります。発作がない時は健康な方と変わりません。
抗てんかん薬(脳の異常な電気的活動をおさえる薬)を使用すれば、7割の患者様では発作の再発がなくなります。発作のタイプによって有効な薬が異なるため、詳しい問診と検査により、適切な診断をすることが重要です。
重大事故を避けるため、てんかん発作がしっかりとコントロールされるまで数年間は、車の運転、高所での作業、重機の操作、単独での水泳などは控える必要があります。てんかんの治療は長期にわたることが多いため、個々の生活環境や人生設計も考慮して、治療スケジュールを立ててゆきます。
長時間の意識障害
朝から目を覚まさないとか、ここ数日反応が鈍いなど、長時間にわたり意識がボンヤリした状態になった場合には、多種多様の病気が考えられます。主な原因として、脱水症、感冒や肺炎などの感染症、脳の病気(脳卒中、脳炎、慢性硬膜下血腫など)、認知症(特にレビー小体型認知症)、低血糖、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症、低体温症、腎不全、肝不全、薬物の過剰摂取、アルコール過剰摂取、一酸化炭素中毒などがあります。
詳しく問診や診察をして原因を調べることが大切なのですが、高齢の方では症状がハッキリ言えないことも少なくありません。症状が重度の場合には、緊急で種々の検査を行う必要がありますので、救急病院にご紹介させていただく場合がございます。
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